最近よく聞くようになった「NFT(エヌエフティー)」という言葉。
ゲームやアートの世界でも話題になっていますが、「なんだか難しそう…」と思っている人も多いかもしれません。
この記事では、NFTとは何か、そしてそれがふつうのデジタルデータと何がちがうのかを、できるだけわかりやすく、例を使って説明していきます。
NFTとは?かんたんにいうと「世界にひとつだけのデジタル証明書」
NFTとは「Non-Fungible Token(ノン・ファンジブル・トークン)」の略で、日本語にすると「代えのきかないトークン」という意味です。
ここでまた「トークン」というわからない言葉が出てきたんですけど、Web3.0の世界では「トークン」は代替性が効かないデジタル資産と思っていればいいでしょう。
たとえば、ゲームの中で「限定1つだけの剣」があったとします。普通のデータなら、コピペして同じものを何個でも作れますが、NFTが使われていると、それが「世界にひとつだけのもの」として記録され、代替がきかない価値ある資産となります。
✔ ざっくり一言で言うと
NFT = デジタルのものに「本物証明書」をつける技術 となります。
NFTと「ふつうの画像」のちがいって何?
NFTとよく比べられるのが、インターネット上にある「ただの画像」や「ふつうの動画データ」です。
ここでは、例を使ってちがいを見てみましょう。
● 例:ネットで見つけた人気のイラスト
あなたがあるアーティストのかっこいいイラストをネットで見つけたとします。
このイラストは、右クリックで簡単に保存できます。誰でもコピーできるし、同じ画像を持っている人が世界中に何万人もいるかもしれません。これが「ふつうの画像データ」です。
一方、同じイラストがNFTとして販売されていた場合、そのNFTを買った人だけが「この作品の本物の所有者」として記録されることになります。画像をコピーすることはできても、「本物の持ち主」は1人だけなのです。
どうしてコピーできるのに「本物」があるのか?
ここでふしぎに思うかもしれません。「画像なんて誰でもコピーできるのに、なぜ“本物”の意味があるの?」と。
たしかにNFTを使っていても、画像そのものはコピーできます。でも重要なのは「それが誰のものか」がブロックチェーンという技術で記録されていて、だれにも書きかえられないことです。
これは、デジタルの世界でありながら「サイン付きの本物のカード」が存在するようなイメージです。
● 実際の例:ポケモンカードで考えてみよう
ポケモンカードには、超レアな限定カードがあります。これをスキャンしてコピーしても、それは「にせもの」であり、本物としての価値はありませんよね?
NFTもこれと同じ。コピーはできても、「これは本物だよ!」という証明がNFTにはあるのです。
NFTはどこで使われているの?
NFTは、いろいろな分野で使われ始めています。たとえば…
● アートの世界
デジタルアート作品がNFTとして販売され、数千万円で売れることもあります。有名な例では、アーティスト「Beeple」の作品が75億円以上で売れたこともあります。
● ゲーム
NFTのアイテムやキャラクターが登場するゲームもあります。持っているアイテムを売ったり、交換したりできるのが特徴です。
たとえば「Axie Infinity」などのブロックチェーンゲームでは、NFTのキャラで戦って報酬がもらえるようになっています。
● 音楽やチケット
アーティストがコンサートチケットをNFTとして販売したり、音楽データを「本物」として販売することも増えています。
NFTの良いところと気をつけるべきところ
NFTにはいろいろな可能性がありますが、まだ新しい技術なので注意すべき点もあります。
● NFTの良いところ
- デジタル作品に「本物」としての価値をつけられる。
- アーティストにとって、新しい収入源になる。
- ブロックチェーンで管理されていて、安全性が高い。
● NFTの気をつける点
- 詐欺や偽物のNFTも存在する。
- 価値が変わりやすく、急に安くなることもある。
- ブロックチェーンの仕組みは少し難しい。
まとめ:NFTは「デジタルの持ちものに名前(証明)を書く技術」
NFTは、ふつうならコピーし放題のデジタルの世界に、「これはだれのものか」「これは本物だ」という“証明”をつけられるすごい技術です。
あなたが中学生か高校生だったら、もしかしたらゲームやイラストの世界で身近に感じられるかもしれません。
将来、NFTを使って作品を作ったり、売ったりするチャンスがやってくるかもしれませんよ。
おまけ:NFTとふつうのデータの違いを表でまとめました。
項目 | 普通の画像・データ | NFTの画像・データ |
コピーできるか? | できる | できる |
本物と偽物の区別はつくか? | つかない | はっきりつく(証明あり) |
所有者の記録はあるか? | ない | ブロックチェーンに記録 |
売買できるか? | むずかしい | できる(マーケットがある) |
価値がつくか? | 基本的にはつかかい | 価値がつくことがある |
NFTは、インターネットの未来を変えるかもしれない新しい技術です。
これからどのように使われていくのか、また使っていくのかという楽しみもあり、見守っていきたいですね。